ベルギー出身の作曲家、サクソフォン／クラリネット奏者であり、ヨーロッパ、アメリカ、アジアにおける創造的な音楽シーンで、意欲的に演奏・録音を行なうアーティストである。ジャズの即興演奏とニューミュージックを音楽院で数年間学んだ後、ベルギー、アメリカやヨーロッパの各都市を行き来しつつ、世界的に定評のある新しい実験的な音楽アンサンブルやアーティストとのコラボレーションや収録をこなしながら、音が内蔵する要素を絶え間なく探究している。また、ソロの即興演奏からカラテ・ウリオ・オーケストラの活動まで、自身のプロジェクトも幅広く主導している。
彼は、様々に異なる芸術媒体から得たアイディアを、意味論的に、概念的に、本質的に、形式主義的に、自身の音楽作品へとまとめ上げることに、芸術的な関心を抱いている。また、現代音楽と「エスニック」音楽とに内在する繋がりを明らかにすることにも深い関心を抱いており、トルコや日本の伝統音楽の演奏家とのコラボレーションや、伝統的な中国音楽を再解釈したツアーを中国で行なっている。彼は、音が減衰する位置の特異性や、空間と音との関係について、ますます深く考えようとしている。また、即興と作曲の境界について、あるいは抽象的な音の探求、和声の推移についても、再度の想像を徹底しようとしており、異なる空間に反応し、異なる聴衆を魅了するような、私的で審美的な言語を、試行し続けている。
作曲家・ピアニストの安田芙充央とCD「Forest」、「Poem of a Cell Vol. 3 : Divine Love、「Musique d’entracte」（いずれも独Winter and Winter）で共演している。